「原発と人権・原発ゼロへ」
東日本大震災とこれに伴う原発事故は、広範囲に深刻な被害をもたらしました。今現在も、高レベル放射性廃棄物の処分の見通しがたっていません。原発から生み出されるプルトニウム、濃縮ウランは核兵器、原爆の材料となります。(今、政府はこれらを輸出しようとしています。)また、その処理は常に被ばくを伴う下請け労働者の非人間的労働によって支えられています。そして原発は、一度事故が発生したらとりかえしのつかない甚大な被害を発生させてしまいます。福島第一原発事故後、いまだに15万人超が避難生活を、うち5万人超が県外避難を余儀なくされています。これらのことから私たちは、脱原発(原発政策転換)の必要性を訴えていかなければなりません。
― 「真の豊かさ」とは? ―
我が国は第2次大戦後、人々の命や人権より経済成長と効率を優先してきました。しかしその結果、貧困と格差を拡大させ「貧困大国」となるとともに、「地震大国」「津波大国」と言われる国土の上に54基もの原発を作ってしまいました。原発により、多くの人々が故郷を追われ、働く場を失い、家族を引き裂かれ、放射性物質による汚染におびえています。
私たちは改めて「真の豊かさ」とは何なのかを考え、経済成長や効率性ばかりを重視してきた生活のあり方、社会のあり方を問い直さなければなりません。そして、3・11震災・原発事故の被災者・被害者が憲法の保護する基本的人権を回復する「人間の復興」が何よりも重視されなければなりません。
なくそう原発・清瀬の会 講演会 7月2日 けやきホールにて
ふくしま復興共同センター代表委員 斉藤富春氏 弁護士 宇都宮健児氏
(報告:目黒かほる)